テレビ業界に伝わる「おごり文化」<51日目>
テレビ業界は「奢る」文化があります。
年齢や性別関係なく、業界歴が一番長い人が飲食代を奢ります。
奢られる方からすると、タダでご飯が食べられる上に仕事の話も聞ける。
夢ような文化ですね。
僕も20代の時はよく奢っていただきました。
その時、上司や先輩によく言われたのが、
「後輩ができたらお前も奢ってやれよ」的なことです。
そんなカッコイイ背中を見て、単純で素直な僕は後輩ができるとよく奢りました。
そして同じことを言うのです。
「後輩ができたらお前も奢ってやれよ」的なことを。
しかし僕は大きなミスをしている事に気づきました。
僕の「奢る」行為はただの自己満足でしかなかったのです。
奢る目的
奢ると僕の心の中は優越感で満たされました。
『今まさに後輩からカッコイイと思われている』
奢る行為ってなんか気持ちがいいんです。
そんな気持ちで奢り続けていると、いつしか「奢る」が「驕る・傲り」に変化していきました。
すると後輩に対してだんだん偉そうになって、口調や態度が厳しくなります。
「なんで出来ないの?」
「なんでわからないの?」
こうして僕に怒られ、業界が嫌になって辞めていった後輩は何人もいます。
そして辞めたに後輩に対してこう思います。
「あんなに奢ってやったのに・・・」
このように「おごる」行為を履き違えると、頑固で自分勝手な考えの人間になってしまいます。
ではなぜ業界人は「奢る」でしょうか?
奢る本来の目的は「感謝」にあると思います。
「いつも仕事頑張ってくれてありがとう」
「これからも助けてください」
こうした感謝の気持ちを伝える行為が、奢る文化の発端だと考えます。
僕はこれを最近やっと理解しました。
もし一緒に食事へ行く時間がないのなら、贈り物をして感謝の気持ちを伝えるようにしています。
業界ルールとかカッコイイだけで奢っているのは時間とお金の無駄遣い。
「おごる」の本質を理解して、これからは奢り奢られるカメラマンになりたいです。
ご精読ありがとうございました。
【参考記事】