横垣哲也のミソ知る

時代に乗り遅れたテレビカメラマンがブログを始めました。

いつまでも現役でいられると思うなよ<105日目>

 

 

 どんなに調子が悪くても一応はプロなので、ある一定ラインのクオリティは超えられますが、その日によって調子がいい時もあれば悪い時もある。

 

 今日は調子が悪いです。

 パンがうまくできないんです。

 

 パンとはカメラを三脚に乗せて固定し、フレームを左右に動かすこと。

 一番よくするカメラワークです。

 

 そのパンがうまくできないんです。

 

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  いつものように気持ちを込めてカメラワークをします。

  右から左へパンします。

  調子がいい時は、スーッって感じで動きます。

  しかし今日は、スーンスーッって動くんです。

 

 デジなので手ぶれ補正がかかっているんじゃないかと疑っている方もいるかもしれません。

僕も初めはそう思いました。しかし確認したところ、ちゃんとOFFにしています。

 ちなみに手ぶれ補正がONになったままの時の動きは、スーッウァンです。

 

 もしかするとコロナの影響で腕が鈍ったのかもしれません。 

 このままスーンスーッのままだったらカメラマンを引退しなければなりません。

 

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 引退。

 死ぬまでテレビカメラマンの仕事ができるとは思っていません。

 

 ミスタージャイアンツ長嶋茂雄は「我が巨人軍は永久に不滅です」という言葉をのこしました。

 昭和の大横綱千代の富士は「体力の限界・・・」と涙こらえる姿が印象的でした。

 伝説の歌姫、山口百恵も「私のわがまま、許してくれてありがとう・・・幸せになります」

と言ってマイクをステージの上に置きました。

 

 

 

 思い返せば毎日パンしていました。

 テレビではフレームに収まらない時、カメラマンはパンします。

 右から左にパン。

 左から右にパン。

 調子がいい時なんかは、ズームアウトしながらのパンも一発で決めていました。

 

 パンのスピードで映像の伝わり方も変わります。

 V尺がない時は早めのパンしますし、じっくり見せたい時はゆっくりパンします。

 

 気持ちの入っていないパンはテレビを観ている人達にも伝わります。

 カメラマンはワンカットに思いを込めてパンするのです。

 

あいにく僕はパンができなくなりました。

今まで応援してくれたファンには申し訳ないのですが、パン出来ないのを隠してまでプロのカメラマンを続けたいとは思いません。

これからはフィックスしか撮らないカメラマンになりたいと考えています。

今までありがとうございました。

 

 

という感じで第二の人生をスタートさせる心の準備はまだ出来ていません。

 

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 もう一度冷静に考えます。

 三脚はザハトラーです。

 カウンターバランス、ドラッグを調整し直しても、スーンスーッってなります。

 

 たまたま2カメだったのでもう一本、三脚がありました。

 試しに三脚を変えてパンしてみます。

 

 

 スーッ。

 

 

 どうやら原因は三脚みたいです。

 僕の調子は悪くない。

 

 

 

ご精読ありがとうございました。