ささやかな幸せを見つけてきたから、ここまできた<100日目>
ここ数日、山にこもって修行をしていました。ブログを更新するのに少し時間がかかったのもそれが原因です。
険しい山道をひたすら歩き、滝に打たれてお経を唱えて、気の流れがいい場所を探してひたすら瞑想します。そう僕は修行をしに来たのです。決してキャンプではありません。
自然の環境で生活するのも修行です。寝ぐらを確保して食事の準備をします。ふだん何不自由なく暮らしているせいか、勝手が違うとなかなか段取り良くいきません。
出発の前日から必要な物はあらかじめ予想をし準備していきますが、あまり要らないと思っていた物が意外と重宝したりします。何事もやってみないとわからないもんです。
少し話が変わりますが、自然の中でいただくコーヒーとカップ麺がこの世で一番美味しいです。環境や気候が味にかなり影響を与えているのでしょう。
わざわざお金と時間をかけて山へ行き、手間や無駄を費やしてささやかな幸せを味わう。その一杯のコーヒーを飲むために修行をするんです。
そうこうしている間に辺りは真っ暗。暑さの中いちにちじゅう動いていたので、体は汗だくなのですがお風呂なんてあるわけないので、そのままおとなしく就寝します。
大自然の中に身を置くことで気付いたのですが、我々の生活は様々な『自然』の変化に影響されているんです。
さっきまで晴れていたかと思えば、急に雨が降り出したり、ゆっくり寝たいのに朝になったらミンミン蝉の大合唱で起こされます。こちらの都合なんて一切おかまいなしです。
初めはうまくいかないことに頭を悩ませるのですが、こちらから歩み寄っていくとだんだん『自然』と調和するようになります。
雨が降ってきたら雨宿り、日差しが強い時は木陰に隠れる。そうやって寄り添ってみるとさっきまでの不安はどこかに消えていきます。
僕の中の必要のないものがそぎ落とされていく感じです。
スマホも持たなくなりました。ブログも更新しません。マスクもつけません。毎日なんとなく気にしていた様々なことがどうでもよくなるんです。
どうやら修行にはまりそうです。
期待するから失望するんです。だったら最初から期待しなけりゃいい。
でも、僕はそんな大人びたことを言いたくありません。
だって期待しなかったり、期待されない人生なんてさみしいじゃないですか。
若者が一人、この業界を辞めました。
「お世話になりました。教えて頂いた事は一生忘れません」
辞める時はみんなこう言います。
辞めた理由を聞いたところで、それが本当かどうかなんてわかりません。
「そもそもこの仕事に向いていなかった」
「最初から辞めると思っていた」
「人生やり直すなら早い方がいい」
周りの大人達は口々にこう言います。
育てる気がないなら雇わなきゃいいのに。
好きなタレントさんや芸人さんと一緒にロケしたり、撮影の後に美味しい食事をご馳走になったり、普段絶対に行けない場所に行けたり、この仕事をしていると小さいラッキーがいっぱいあります。
そんなささやかな幸せを見つけられなかったから辞めたんじゃないかと僕は考えます。
夢や目標は大事です。でもそれだけで仕事を続けられるほど甘くもありません。
人の人生をとやかく言う資格も権利も切符もWEBチケットもありませんが、この広い世界でおなじ国のおなじ場所でおなじ仕事をしていたのも何かの縁です。僕にはどうすることもできませんが業界を辞めた若者へ一言、餞別がわりにメッセージを送りました。
僕もまだまだ修行が足りません。来週も修行に行ってきます。
今回で100日目のブログとなりました。あなたから頂きましたささやかな幸せのおかげで、なんとかこうして続けることができました。
ここで御報告があります。私、横垣哲也は8月16日をもちましてフリーランスを辞めることになりました。
思い返せばフリーになって約5年3ヶ月、様々な方との新しい出会いに心躍りました。
これからは会社に所属してサラリーマンとして新しい扉を開いていくことになりますが、仕事のスタイルは特に何も変わりません。
仕事もブログもパチンコ屋も新装開店しますので、いい台に座わってフィーバーしたい人は、整理券をお配り致しますので早朝からお並びすることをオススメします。
ご精読ありがとうございます。