「テレビ業界の仕事って朝早くて、夜遅いですよね?休日とかってあるんですか?」ってよく聞かれます。結論から言うと、「そんな時もあるし、そうでない時もある」です。だから僕にだって休日はちゃんとあります。
掃除して、洗濯して、昼寝して、ご飯食べて、お風呂に入って、明日の仕事に備えて寝ます。おじさんの休日に興味は無いと思いますが大体はそんな感じです。
土日が休みって訳でもありません。ロケ中心でスケジュールが決まっていくので、その合間を狙って休みます。世間は平日なので、休日に仕事の連絡なんてことは日常茶飯事です。仕事のことを考えないなんて日は一日もありません。
別に楽しんでいるから大丈夫なんですが、仕事ばっかりの人生もどうかと思うので、今度の休日はスマホの電源を切るか、電波の届かないところでゆっくり過ごしたいと思います。
大抵、撮影チームの責任者であるメインのカメラマンが、ロケの規模や内容に合わせて撮影チームを組みます。メンツは誰でもいいって訳でもありません。技術力、人柄、相性など総合的にみてメンバーを選びます。数ある業務の中で、スタッフ選びが一番大変と言っても過言ではありません。ちなみに僕の場合、スタッフ選びは自分で決めていますが、場合によってはシフターが決めている会社も少なくありません。入れ替わりできるようにメンバーも固定しすぎないように気をつけています。
入社三ヶ月の社員がいます。歳は20代前半です。とても素直なので僕は信用しています。
先日、僕はその後輩にあるお願いをしました。「今度のロケで音声を任せたいと考えています。お願いできますか?」すると、「挑戦したいです」と言ってくれました。
レギュラーのお仕事なので、現場には何度も来てくれていました。システムはある程度理解していますし、時間もそこそこ余裕があります。ロケまでは約一週間です。僕はお願いすることにしました。
するとその夜、その後輩から不安を綴った相談のメールがありました。どうやら別のスタッフが、「その仕事をするにはまだ早いから、辞めておいた方がいいんじゃないか」とアドバイスしたみたいなんです。おそらく後輩のことを親身に想って言ってくれたに違いありません。その後輩に失敗して欲しくないからだと思います。挑戦したいけど、失敗してみんなに迷惑をかけてくない。そりゃ不安になって当然です。
ちゃんと方向性を示してあげなければいけませんでした。これは大人達の責任です。不安にさせて、ごめんなさい。
閃くことがよくあります。しかし、自信満々で自分の考えを主張した時に限って、周囲の反応は案外そうでもなかったりもします。自分では名案だと思っていたことが、相手にとっては迷案になってしまうこともあります。
ディレクターは自分とセンスが似ているカメラマンを選びます。理由はいちいち確認作業をしなくていいからです。誰だって面倒なことはできるだけしたくありません。
挑戦に不安はつきものです。その不安を取り除くためには、準備を徹底するしかありません。それが出来たらもう心配は入りません。あとはロケを一番楽しんだもん勝ちです。
いざ勝負!